タイとカンボジアでのフィールドワーク <後半>

前回の記事ではフィールドワークで見てきたことを紹介しました。
今回は主にカンボジア(タイの話は置いときます)で感じたこと、思ったことに焦点を当てたいと思います。

Cambodian-boy-at-train-station.jpg


“貧困”という環境と、人間のモラルや価値観との関係
フィールドワークで治安の悪さや児童をとりまく環境を見てきましたし、自分自身もちょっとした犯罪の被害者として文字通り身をもって(笑)体験しました。
その中で特に問題意識を持ったのは、“貧困”という環境と、人間のモラルや価値観との関係です。
カンボジアには、自然界の弱肉強食、、、とまでは言いませんが、それに似た感覚、価値観や「もらえるものはもらってく」というしたたかさを持ち合わせていないと、生きてはいけない環境があるように感じました。
そして、“生きるか死ぬか”という状況下では、持続可能な社会への配慮は二の次三の次。あろうことか人権でさえも綺麗事として軽視されてしまう現状に、途上国における現実社会のシビアさを感じました。

そんな環境の中だと、日本でぬくぬくと育ってきた自分の価値観も疑ってしまいます。

ああ、貧困ってなんなんだ。
モラルって何なんだ。善悪って何なんだ。正義って何なんだ。
教えて、マイケル・サンデル先生

日本では許さないけどカンボジアでは、、、

例えば、日本にいたら、お店の人が値段をごまかす行為や、恐喝、強盗行為は、僕は絶対に許しません。そんな非倫理的な人には激おこぷんぷん丸です。

しかしカンボジアの厳しい社会の中での生活を強いられている人々の立場に、僭越ながらも立とうとするならば

必死に生きる中で手を染めてしまうちょっとした悪事や犯罪、
例えばお金持ちの観光客相手へのボッタクリから強盗、盗難も、
人を傷つけない程度なら犯しても”貧しいのだからしょうがない”と
正当化できなくもない気がしました。

というか、日々貧困にあえぐ人に「たまたま先進国に生まれて何一つ不自由なく生活できてるんだから、ちょっとくらいお金を多く請求されたり、iPhoneやカバンを盗まれたくらいで文句を言うな!不平等な世の中の、被害者側の立場を一度くらい味わってみろ!」と言われたのならば、正論だと感じるような気もします。
(みなさんはどう感じますか? )

少なくとも僕には、貧困に根付いた犯罪を声を大にして責めることは、心のどこかで憚られます。

事実僕は、自分のiPhoneを奪ったプノンペンのゴロツキ達を恨む気には一度もなりませんでした。
(後日談ですが、7万円ほど損害保険金が返ってきたのでむしろプラスです。なんだこれ 笑)

環境を理解し、何も憎まず。

ここで以上をまとめて、今日のテーマである
“貧困”という環境と、人間のモラルや価値観について
今回のフィールドワークを終えた時点での僕の見解を述べると

・ 「モラル、正義、善悪というものは環境に内在されているもので、外から持ち込まれたそれらは妥当性が乏しく、故に基本的に役に立たない。」という前提を持ち、自分の感覚に基づいた善悪を判断をはばかるべし。
・ 事態、問題を引き起こした背景には当事者の思考や論理のプロセスがあり、そのプロセスの根底にはその人のモラルや価値観があり、モラルや価値観にはそれを作り出した環境があることを理解すべし。

です。
これらが、途上国の社会問題解決、ひいては持続可能な開発の出発点ではないでしょうか。

このようなフィールドワークでの経験や、思考を経て、感じたのは
貧困環境に根づいた問題について議論するときには

罪(問題)を恨んで人を憎まず。

という格言をもう一歩深めて、

環境を憎んで罪を恨まず。

と考えるべきじゃないかということ。
さらに主体的に考えるなら、

環境を理解し、(できれば解決し、)何も憎まず。

というスタンスが大切ではないかということです。

人を責めたり憐れんだり一喜一憂するのではなく、
その人が置かれた状況、環境を理解することがすごく大事なのだと
Takaは悟ったのです。

ここまでが前置きで
貧困環境が生み出す児童問題について書くつもりだったんだけど、長い(笑)どうしよう。

ここまでがフィールドワークってことでキリもいいので
一旦切って後日書きます。

Takaっていう名前実はあまり自分でしっくりきてないので
以後たからって名乗ります。
たからでした。



以下、おまけとして
前回本文で取り上げなかった Badポイント を掲載させてもらいますね。

・交通の便が悪い
まず、電車があんまり通っていないので(逆に東京の凄さがわかります 笑)だいたい車、バイクで移動します。そこでまずあがるの車の渋滞の問題。特にタイのバンコクは世界一渋滞がひどいらしいです。タクシーでバンコクの空港に向かった時、30分くらいで着くはずが、渋滞につかまり2時間くらいかかりました(TT)飛行機ギリギリセーフでしたが焦りました。あの渋滞による交通の効率悪さは経済的にもだいぶマイナスでしょう。

IMG_8257.jpg
その他にも道路を見ていて気になったのは、安全面です。道路も舗装中の場所が多かったですし、交通ルールもほぼ無法状態で、危ないバイクドライバー、歩行者が散見されました。事故の被害多いやろうなーという印象を受けました。

・衛生的でない
IMG_8234.jpg
食べ物でいうと、路上で売ってる食べ物は排気ガスにさらされまくってます。地元のマーケットに売ってるものも、ハエがたかっていたり、そんなに衛生面には気をつけてないです。日本が気をつけすぎなんですかね?
トイレットペーパーないのも凹みます。大型のデパートのトイレにはトイレットペーパーありました。

・警察が信用できない
なんか、色々あって警察らしき人に1万円騙し取られました。笑
汚職がひどいみたい。

・開発っていうかぜんぜん文明が栄えてない地域も
Screen Shot 2015-06-14 at 2.16.07 AM.png
都市部とそれ以外の発展具合の差は大きいようです。カンボジアでも、首都のプノンペンはたくさんビルが建っていたのですが、シムリアップでは、自分たちで作ったんじゃないかっていう木の家が草原の中のあぜ道のような道路沿いに数百メートル間隔でポツ、ポツとあるだけの地域もありました。もちろん電気も水道もないです。タクシードライバーさんいわく、そういう地域では自給自足か物々交換で生活できているのでお金を使う方がまれだそう。


この記事へのコメント