BoPビジネスの例 BoPビジネスの例 BOPビジネスを身近に考えてみよう。

たからです。

前回の記事ではプラハラードが提唱した
BOPビジネスの概念を簡単に紹介させていただきました。
が、紙幅が足りず、抽象的な概念の紹介だけでおわってしまっていました。

指摘をいただきました通り、具体性がなくて
中々BOPビジネスのイメージを掴みにくかったと思います。

前回の経営学の視点から”抽象的”に紹介させていただいた内容を頭の片隅に
今回は一転、”具体的”に消費者の視点からBOPビジネスの
イメージを掴んでもらえたらと思います。
そして次回の記事で、簡単にだけ具体例を紹介しようかなと、思います。

て言っても僕も自分の目であんまBOPビジネス見た事なくて
本だけの知識なんで、限界がありますけどね。
ご容赦ください。

消費者から見たBoP

前回は、プラハラードが紹介したBoPビジネスの主な特徴、魅力の一つは
BoP層を顧客、市場として経済活動に取り組むことだ。
と紹介しました。
これは経営学者、先進国の経営者から見た視点です。

では、視点を変えて上記をもうちょっと消費者寄りに噛み砕いてみるとどうでしょう?

BoPビジネスとは、BOP層の”ニーズ”や”ウォンツ”をより適切に満たしてくれるビジネス
だと言えそうです。

ちなみにニーズ、ウォンツはマーケティングの基本用語です。

簡単に説明すると
ニーズは特定の欲求、(例 「本棚を作りたいのだが、1ミリの穴が開けられなくて困っている状態」)
ウォンツは欲求を叶えるための具体的な手段 (日曜大工の店に行って「1ミリの穴を開けるドリル」を欲しいと探す)
であると言えます。
参照 http://gms.globis.co.jp/dic/00489.php

とかいっても
イメージが伝わりにくいと思うので、

先進国市場の消費者と
BoP市場の消費者を比べた
作り話で説明したいと思います。

例えば、日本にいるあなたが
友達の誕生日パーティーに手作りクッキーを持っていき、盛り上げたいという”ニーズ”と、
クッキーの材料の小麦粉が欲しいという”ウォンツ"を持ったとします。
その”ウォンツ”を満たすため、あなたはスーパーに買い物に行きます。

徒歩10分、1kgの紙袋に入った小麦粉が、だいたい5ドルくらい売られています。
スーパーの材料コーナーに来たあなたは、商品棚に並んだ小麦の袋を「みーつけた」と、手を伸ばします。と、小麦粉のすぐ隣に特売で1kg7ドルのホットケーキミックスを見つけ、「こっちの方が簡単で美味しくクッキーが作れそう」と、小麦粉の代わりにホットケーキ掴んで、カゴに入れます。
そして、「なんならついでにお菓子もジュースもお酒も、、」といらないものまでカゴに入れ、レジを通ってお金を2000円くらい払い、買い物袋を両手に家に帰ります。
家に帰って、あなたはクッキーを作り、
友達のパーティーにお菓子や飲み物を持っています。予定よりも少し多くお金はかかりましたが、
”友達の誕生日パーティーを盛り上げる”という”ニーズ”は充分に満たされてハッピーです。
(その日の料理で使わなかったホットケーキは、大体キッチンの引き出しに数ヶ月間余りっぱなしで放置されますが気にしません 笑)
日本のような先進国では特に取り立てることもない日常の風景です。

次に、これまでのお話を一旦忘れて
あなたがカンボジア、アンコールワットがあるシムリアップの、小さな村に
1日2$以下で生活する学生だったと想像してください。
村には30世帯ほどが住み、電気も通っていません。日々、着る服も食べるものも質素なもの。
このようなBoP環境下においては、あなたが、友達の誕生日パーティーに手作りクッキーを持ってって盛り上げたいという”ニーズ”を満たしたいとしても、日本にいる場合とは事情が大きく異なります。
クッキーを作るために小麦粉を買うだけにしても、1日2ドル以下で生活しているあなたににとっては、1kg5ドルの紙袋入り小麦粉を買うのも大きな出費です。
友達を祝いたいけど、日々の生活もあるので、できるだけ低く出費を抑えたい。
最低限の出費でクッキーを作りたい。
以上を踏まえ、仮にこの場合のあなたのウォンツを
安い小麦粉を買いたい、できれば1ドル以下で。
だとします。

そのウォンツと、予算の1ドルを握りしめあなたはスーパーにいきます。
しかし、あなたの村にはスーパーはないので、すこし大きな隣町まで40分かけてバスで移動します。

隣町のスーパーに着いてみると、一番やすい小麦粉でも1kg7ドルで売られています。
小麦粉は1kg単位でしか売っていませんし、(日本での5$と比べると市場競争が進んでないので、)値段もすこし割高です。
「ただクッキーを作るだけだから、1kgもいらないのに。。」と思いますが、
あなたは無駄を承知でそれを買うのか、もしくは小麦粉を買うお金がなく購入を諦めるか、というハメになります。

どちらにせよ、あなたはニーズとウォンツが満たされないまま、帰路につきます。
(クッキーとは別の方法で友達のパーティーが盛り上がればいいですが。)


以上の二つの話は、
少し極端な例ですが、ありえなくはない状況だと思います。


ここで説明したかったのは
富裕層の消費者は、ニーズ、ウォンツを簡単に満たすことができます。

市場に簡単にアクセスすることができ、(スーパーまで徒歩10分)
市場が成熟しているため、多様な商品の中から自分が一番欲しいもの選ぶことができ(小麦粉の他にも、ホットケーキミックスも選べる)
それら商品、サービスの値段は市場の競争のおかげで下げられていて(小麦粉$5、ホットケーキミックス$7)、
彼らには資金があるため購買力があり、それらを購入することができるのです。


一方
BoP層の人々は、希望に沿う商品へアクセスが難しく、(隣街までバス40分)
選択できる商品、サービスの肢も少なく(1kgの小麦粉のみ)
値段も割高(小麦粉$7)
しかもあまり資金的な余裕がないので、買いたいものを簡単に買うことができません。
富裕層と違い、ニーズをウォンツが満たされません。

端的に言えば、そんな問題を解決するのがBOPビジネスです。

BOPビジネスの実現にはアプローチには定石があります。
プラハラードが紹介したものには

3Aの実現(Affordability, Access, Availability)

というものがあります。

例えば、カンボジアにて1kg$7の小麦粉が
100g$0.7ずつ小分けにして売られているだけでも
BOP層の消費者は手を伸ばしやすく、無駄な出費をせずに済みます。
(= Affordability, Accessの2点が改善)

このように、BoPビジネスでは
手頃な値段で、アクセスしやすく、ウォンツにあった商品やサービスを
いかに消費者に届けるかが鍵となります。

それでは、実際の社会での事例を紹介したいと思います。
が、そういうものは
レポートや市販の本にいくつもうまくまとめて紹介されています。
それよりうまく書ける自信がないので、そちらに譲りたいと思います。
この記事では、いくつか社名を紹介して、
僕の一番のお気に入り成功事例のセメックスがいかにクレイジーかを紹介するに留めます。

詳しく知りたい方は後ほど紹介する文献を読んでください。笑

簡単に会社名だけ紹介すると、ネスレ、ユニリーバとかがやってます。
経済が成熟する前の日本を舞台にした事例ではヤクルトレディなんかがあります。
グラミン銀行もたくさんのBoPビジネスを支援しているようです。

特におもしろかったのは
セメント会社セメックスのメキシコBoP市場開拓の事例です。
前回の話とちょっと繋がりが薄いですが、どのようにマーケティングが行われたのか
面白いとこだけ掻い摘んで紹介します。

BOP市場は先進国市場と性質が異なるため、従来のやり方でなく
現地に合わせた方法で売っていくことが大切です()。
そのためにはマーケティングを一からやり直し、
製品作りや販売方法に反映させないといけません。

セメントを売る多国籍企業、セメックスがメキシコの市場を調査するためにとった行動は

メキシコに入るや否や、「私たちはメキシコの顧客のこと、ビジネス環境のことをよく知りません!顧客のみなさん、教えて下さい」と白旗をふって降参宣言すること 笑
図々しいというか清々しいというか(笑)


もちろん、お客にばかり頼ってマーケティング調査をサボっていた訳ではありません。
調査も、ど真剣、かつクレイジー。

市場調査のために
「お前ら。マーケティングの一環として6カ月間、メキシコの貧困地域に住め!」
「セメントのこと一切忘れて、とりあえず住め!!現地人になってこい」
と 笑

おかげでセメックスはお客さんの声をたくさん聞くことができ、現地の生活環境を短期間で熟知することに成功し、メキシコの人々のニーズにあったサービス展開に成功しました。

現地化大事。


この記事へのコメント

  • 出口

    前回に比べて具体例が多く、非常にわかりやすい!
    これならビジネスを勉強したことがない人でも、簡単に理解につながるし、消費者からの視点の具体例が、身近なものでいい!

    セメックスのクレイジーさは、ちょっと好きかも笑
    2015年10月14日 05:25